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運営者(プロダクトデザイナー)
DARADARA
バイク歴7年。職業はプロダクトデザイナー。車用品メーカーで商品開発をしていた経験を生かして記事を書いています!
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カスタム・バイク用品系:プロダクトデザイナーとしての知見を使って書いています。
メンテ・整備系:『書籍』で学んだ内容をもとに書いています。
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トルクレンチについて詳しく知りたい!本記事ではトルクレンチの使い方、種類、選び方や違いなどを詳しく解説。シグナル式と直読式?意外と知らないトルクレンチの基礎知識。自転車、バイク、車で使う人向け。
- トルクレンチって何?
- 正しい使い方は?
- オススメはどれ?
【工具】トルクレンチの基礎知識!
どうもdaradaraです。今回は整備用工具の基礎知識第三弾『トルクレンチ』についてです。
トルクレンチのイロハをわかりやすくまとめます。
トルクレンチの用途
トルクレンチはネジを締め付ける力(トルク値)を管理する工具です。ボルトを適正なトルクで締めたい時に使います。
ボルトは力一杯締めればいい!ってものではないんです。
シグナル式と直読式
シグナル式 | 直読式 |
先にトルク値を指定して締め付ける。トルク値に達すると音などで合図してくれる | 本体のゲージなどを見ながら締め付ける。 |
作業性が高い 種類が豊富 値段が少し高い | 構造が簡単で耐久性が高い 値段が安い 作業性は劣る |
トルクレンチには『シグナル式』と『直読式』の2種類があります。
シグナル式は、予め設定したトルクに達すると音で教えてくれます。ラチェット型が一般的。
直読式は、ゲージを読みながら希望トルクまで締め付けていくタイプ。検査用などで使われることが多いそうです。
構造が簡単なので、シグナル式に比べて値段は安いことが多いです。ただ場所によっては目盛りが見づらいなど、作業性はシグナル式に劣ります。
最も一般的なのはシグナル式のラチェット型。
正しい使い方
ここからは一般的なトルクレンチ(ラチェット型)の使い方を紹介します。使い方は商品によって異なります。参考程度にお考えください。
注意:トルクレンチは精密機器です。付属のケースなどに入れて大切に使いましょう!
①メモリを合わせる
任意のトルクに設定します。設定方法はトルクレンチによってことなりますが、ラチェット型はグリップを回して設定するタイプが一般的です。
②正しい位置で持つ
トルクレンチは握る位置も重要。握る位置によってもトルクが変わってしまいます。
グリップに線や印がある場合は、線に中指がかかるように握りましょう。
③音が鳴るまで回す
音がなるまで締め付けます。設定したトルクに達するとカチッと音がなるので、音がなったら手を離してください。
カチカチっと2回やりたくなるけど、カチは1回まで!
どんどん締めすぎ(オーバートルク)になってしまいます。
④使い終わったら0に
使用後はメモリを最低値(0)に戻します。設定値のまま保管すると精度が狂ってしまう場合があるので注意しましょう。
選び方と違い
- 差込角
- トルクの調整幅
- トルクの設定方法
- 精度と校正証明書
トルクレンチを選ぶ時に見るべき場所は上の4つです。結構重要なので1個1個詳しく紹介します。
差込角
1/4インチ(6.3mm) | 3/8インチ(9.5mm) | 1/2インチ(12.7mm) |
自転車 | バイクや車 | 車のタイヤ |
差込角は、ソケットを挿す場所のサイズ。用途や手持ち工具を参考にきめましょう。車のタイヤなら12.7mm、バイクなら9.5mm、自転車なら6.3mmが一般的。
トルクの調整幅
5~25Nm | 20~100Nm | 30~180Nm |
自転車・バイクのボルト類 | バイクのタイヤ | 車のタイヤ |
トルクの設定幅はこの3種類が一般的です。(メーカーによって多少前後します。)
バイクいじりで使うなら『5~25Nm』『20~100Nm』の2種類がオススメです。
無理に1本でまとめず、複数を使い分けましょう。
トルク設定方法
トルクの設定方法はメーカーが”こだわる”部分。
画像のタイプはよくある安いタイプですが、、高いトルクレンチは、簡単+正確にトルクを設定できるように工夫されています。
メーカーの個性が出る部分です。
精度と校正証明書
精度と校正証明書は、プロが見る部分です。精度は±~%で表記され、数字が小さいほど誤差が少なくて正確。通常3~4%。
校正証明書は商品の精度を確認し保証しますというものです。プロの現場だとこの公正証書がないトルクレンチは使用できなかったりするらしいです。
私のような素人にはあんまり関係ないですが、知識として持っておくと商品の質を見分けられます。
トルクレンチの種類
最後にトルクレンチの種類とオススメを紹介します。
プリセット型
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
12000円〜 | 3/8インチ(9.5mm) | 5~25 10~50 20~100 30~140 40~200 40~280 |
トルクレンチといえばトーニチが有名です。トーニチはトルク機器の専門メーカー。
以前ホンダのワークスチームで整備士をやっていた方にお会いしたんですが、その方もこのトーニチのトルクレンチを使っていました。憧れのトルクレンチ。
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
12000円~ | 3/8インチ(9.5mm) | 4~20 5~25 10~50 20~100 |
個人的に気になっているのがTONEのトルクレンチ。他の商品に比べてトルク値が見やすくて、設定もしやすそうなのが良いです。
プレート型
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
3300円 送料込み | 3/8インチ(9.5mm) | 0-90N・m |
意外と便利なプレート型。バーのしなり具合で溶くるを設定します。プリセット型に比べて値段がやすく、耐久性が高い。
バイクとも相性がいいです。私が使っているトルクレンチの1つ。
▼この商品のレビュー記事▼
デジタル型
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
約20,000円 | 3/8インチ(9.5mm) | 2~30 6~30 12~60 17~85 |
トルクレンチもデジタルな時代。
ダイヤル型
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
約20,000円 | 3/8インチ(9.5mm) | 3~25 |
支柱のねじれからトルクを検出し、ダイヤルに表示するタイプの直読式トルクレンチ。私が使っているプレート型の上位互換。
オススメはこれ
価格相場 | 差込角 | トルク調整幅 |
約4,300円 | 1/4インチ(6.3mm) | 5~25Nm |
3/8インチ(9.5mm) | 5~25Nm | |
3/8インチ(9.5mm) | 20~110Nm | |
1/2インチ(12.7mm) | 30~180Nm |
初めてならアストロのトルクレンチがオススメ。高級品もいいけど、実際家で時々バイクや車を弄る程度ならアストロで十分だったりします(笑)。
バイク用なら5~25Nmと20~110Nmの2本があれば無敵です!
▼この商品のレビュー記事はこちら▼
バイク整備でよく使う工具
バイク用の工具が欲しい!どんなのが必要?って人は下の記事がオススメ。バイク整備で使う基本的なハンドツールをまとめ紹介しています。
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参考書籍
本記事は雑誌『工具読本Vol.5』の内容を参考に作成しています。監修は日本自動車学校の講師の方々なので信頼度も高い。
ラチェット以外にも、レンチやドライバーなどのハンドツールの使い方、選び方などが紹介されている面白い本です。
工具好きな人、工具の勉強をしたい人は是非参考にしてみてください。
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まとめ
- トルクレンチって何?
→ネジを締める力を管理する工具 - 正しい使い方は?
→トルクを設定して音がなるまで締めるだけ - オススメはどれ?
→アストロのトルクレンチ!
今回の記事をまとめると上のようになりました。今まで何も気にせず感覚で締めてたよ!なんて人はトルクレンチを使ってみてください。
ということで今回はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。