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運営者(プロダクトデザイナー)
DARADARA
バイク歴7年。職業はプロダクトデザイナー。車用品メーカーで商品開発をしていた経験を生かして記事を書いています!
※記事の信憑性
カスタム・バイク用品系:プロダクトデザイナーとしての知見を使って書いています。
メンテ・整備系:『書籍』で学んだ内容をもとに書いています。
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初心者でも出来るバイク用のエンジンオイル選び方を紹介しています。種類、油種、グレード、粘度、規格などオイル選びに必要な基礎知識から、選定方法まで分かりやすく解説しています。オイルを選びたいけど方法がわからない!っていう方にオススメの記事です。
- 自分のバイクに合うエンジンオイルの選び方が知りたい!
- 10W-30とかMAとかSLって何?
- パッケージの表示内容がさっぱりわからない!
- 私のバイクに使えるオイルを教えて!
正しいエンジンオイルの選び方!(バイク)
エンジンオイルの選び方が分からないから純正使ってます!って方も多いんじゃないでしょうか。もちろんそれは正しい選択ですが『どうせ交換するなら違うオイルも使ってみたい!』なんて思いませんか?
そんな方は是非この記事を読んでみてください。愛車に適合するエンジンオイルを探す方法はたったの3ステップです。
- 自分のバイクの指定オイルを調べよう!
- エンジンオイルの性能を理解する
- オイルの価格や性能を比較する
step1:自分のバイクの指定オイルを調べる
まずは愛車のメーカー指定エンジンオイルを調べましょう。バイクの取扱説明書を読めば、指定オイルやエンジンオイルの条件が記載されています。メーカー純正オイル以外のオイルに交換したい場合は、オイルの条件をメモりましょう。今回は愛車FTR223を使って最適なエンジンオイルを選んでみます。
バイクの取扱説明書は、メーカー公式ホームページからダウンロードできます。
HONDA:https://www.honda.co.jp/ownersmanual/HondaMotor/motor/
SUZUKI:https://www1.suzuki.co.jp/motor/support/owners_manual/
YAMAHA:https://www2.yamaha-motor.co.jp/Manual/Mc/
KAWASAKI:https://www.kawasaki-motors.com/after-service/instructions/
FTR223のメーカー指定オイルと条件
推奨オイル(純正) | Honda 純正オイル ウルトラG1 (4サイクル二輪車用) |
JASO T903規格 | MA |
SEA規格 | 10W-30 (または 10W-40) |
API規格 分類 | SJ級以上 |
[注意事項]相当品がすべての規格を満たしている場合でも、特性が異なり車両に適合しない場合もあります。具体例:摩擦低減剤が多くクラッチが滑るなど。 |
今回は愛車FTR223に最適なエンジンオイルを選んでみます。車種が違っても方法は同じなので、ご自身のバイクのエンジンオイルの条件と照らし合わせて見てみてください。
step2:エンジンオイルの性能を理解する
エンジンオイルを選ぶ時は、上の3つの項目が取扱説明書の記載内容と同じか確認するだけ!でOKです。それぞれの項目についてサーっと紹介していくので、軽く目を通してみてください。
- JASO規格はオイルの特性!
→必ずメーカー指定のものを使ってください - SEA規格はオイルの粘度!
→メーカー指定のオイル粘度から選びましょう - API規格はオイルのグレード!
→メーカー指定グレードより新しいものならOK
JASOはエンジンオイルの性能の分類
JASOとは自動車技術会が制定する日本自動車技術規格(Japanese Automotive Standards Organization)のイニシャルをとってつけられた工業規格です。ここではエンジンオイルの特性を示しています。この特性に甲乙はないので注意しましょう。
JASO規格(2スト) | JASO規格(4スト) |
FA 2サイクルエンジンに対し最低限の性能を有する | MA 高い摩擦特性 |
FB FAに比べて潤滑性、清浄性に優れている | MA2 MAの摩擦特性の範囲で粘度が高い |
FC FCに比べて排気煙、排気系閉塞性に優れている。 | MA1 MAの摩擦特性の範囲で粘度が低い |
FD FCに比べて清浄性を高めたオイル | MB 摩擦特性が低い |
SEA規格はエンジンオイルの粘度
SEA規格とはアメリカのSEAインターナショナルという団体が定めている規格です。バッテリーやヘッドライトなどの規格があります。エンジンオイルの場合はオイルの粘度を表しています。エンジンオイルの粘度に関しては、別の記事で詳しく紹介しています。気になった方は下の記事を参考にしてみてください。
粘度が高ければいいという事はありません。メーカー指定の粘度に従いましょう。粘度について詳しく知りたい方は下の記事を参考にしてみてください。
API規格分類はオイルのグレード
API規格とはアメリカ石油協会が定めた、石油関連の規格です。オイルのグレードを示しており、酸化安定性、サビ、腐食、磨耗、洗浄性など多くの基準からSA~SNの12種類に分類されます。エンジンへの影響や環境負荷の少ないオイルが年々追加されています。この規格は年々更新されていくので、メーカー指定の基準以上であれば問題ありません。
(例)メーカー指定がSJであれば、SL SM SNも対応です。
規格 | 基準 |
SA | 運転条件がゆるやかなエンジンに使用可で、添加物を含んでいないオイル(ベースオイル) |
SB | 最低レベルの添加物を配合したオイルで、かじり防止・酸化安定性の機能が改善されている。 |
SC | 1964~67年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、デポジット防止性・摩耗防止性・サビ止め性腐食防止性が備わっている。 |
SD | 1968~71年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SCより高い品質レベルを備えている。 |
SE | 1972~79年型のガソリン車に満足して使用できる品質を持ち、SDより高い品質レベルを備えている。 |
SF | 1980年製以降の車に適応。酸化、高温デポジット(堆積物)、低温デポジット、サビ、腐食に対する優れた防止性能を発揮。 |
SG | 1989年製以降の車に適応。SFの性能に加え、動弁系の耐摩耗性と酸化安定性が要求され、エンジン本体の長寿命化を果たす性能がある。 |
SH | 1993年製以降の車に対応。SGの性能に加え、スラッジ防止性、高温洗浄性に優れる。 |
SJ | 1996年製以降の車に適応。SHの性能を向上。さらに蒸発性、せん断安定性に優れる。 |
SL | 2001年度制定。SJに比べ、省燃費性の向上(CO2の削減)・排出ガスの浄化(CO、HC、NOxの排出削減)・オイル劣化防止性能の向上(廃油の削減・自然保護)があげられる。 |
SM | 2004年制定。SLに比べ、浄化性能・耐久性能・耐熱性・耐摩耗性に優れている。 |
SN | 2010年制定。環境性能おいてより高い基準が設けられた。 |
油種は3種類
FTR223の取扱説明書には油種の指定はありませんでしたが、エンジンオイルには『化学合成油』『部分合成油』『鉱物油』の3種類があります。こちらは予算や走り方に合わせて選びましょう。古いバイクに化学合成油を入れると漏れてくる場合があります。
化学合成油 | 部分合成油 | 鉱物油 |
科学的に合成したオイル。高性能で高価格な高級オイルです。 | 鉱物油と合成油を混ぜて作ったオイル。性能と価格のバランスが良いオイル | 原油から作られた天然オイル。値段が安いが性能は合成油に劣る |
劣化しにくい | 始動性が良い | 価格が安い | |
化学合成油 | ◎ | ◎ | 高い |
部分合成油 | ◯ | ◎ | 普通 |
鉱物油 | △ | ◯ | 安い |
step3:エンジンオイルの価格や性能を比較する
さて、長々とエンジンオイルの性能について書いてきました。ここからは楽しいオイルの選定作業に入ります。下の表は、FTR223の条件に合う純正オイルと社外オイルを比較したものです。天候や気分、予算に合わせて色々なオイルを使ってみてください。
メーカー指定条件と推奨オイル
メーカー指定オイルの条件 | メーカー推奨オイル HONDA G1 | |
JASO T903規格 | JASO MA | JASO MA |
SEA規格 | 10W-30 (10W-40) | SEA 10W-30 |
API規格 分類 | API SJ 以上 | API SL |
油種 | 鉱物油 | 鉱物油 |
容量 | – | 容量 1L |
価格 (1L当たり) | – | 約1000円 |
特徴 | コストパフォーマンスに優れた、低燃費のベーシックオイル | |
FTR223に適合する純正オイル
FTR223に適合する社外オイル
ワコーズ PRO-S40 (10W-40) | カストロール POWER1 (10W-40) | NBSジャパン (10W-40) |
JASO MA | JASO MA | JASO MA |
SEA 10W-40 | SEA 10W-40 | SEA 10W-40 (10W-30もある) |
API規格 SM | – (4スト用) | API規格 SL |
化学合成油 | 部分合成油 | 鉱物油 |
容量 1L | 容量 4L | 容量1L |
約2500円 (1L当たり ) | 約2500円 (1L当たり625円) | 約900円 |
高性能高品質に定評のあるワコーズのエンジンオイル。 | イギリスの老舗エンジンオイルメーカー。コスパで選ぶならこれ | HONDA G1の廉価版。とにかく安く買いたい人にオススメ |
あとは購入して交換!
オイル交換は『お店で交換』か『自分で交換』の二択があります。お店で交換する場合は、店頭にあるオイルから選んで交換になりますが、自分で交換すれば好きなオイルを選ぶことができます。それぞれの値段や費用、やり方を紹介した記事があるので、気になった方は参考にしてみてください。