エンジンオイルの粘度って何?表記の見方や違いも分かりやすく解説!外気温は関係ない?

エンジンオイル 粘度 車とバイク

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DARADARA

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バイク歴7年。職業はプロダクトデザイナー。車用品メーカーで商品開発をしていた経験を生かして記事を書いています!

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カスタム・バイク用品系:プロダクトデザイナーとしての知見を使って書いています。
メンテ・整備系:書籍』で学んだ内容をもとに書いています。

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自動車やバイクに使うエンジンオイルの粘度について分かりやすく解説!粘度の種類や選び方、粘度表記の見方など。エンジンオイルの粘度について詳しく知りたい方は是非チェックしてみてください。

  • エンジンオイルの粘度って何?
  • 10W-30とか0W-20って何?
  • エンジンオイルの粘度って変えてもいいの?

エンジンオイルの粘度って何?

エンジンオイル 粘度 

オイルの粘度とはオイルの硬さです。自動車やバイクのエンジン性能に合わせて、サラサラ系からネバネバ系まで幅広いエンジンオイルが販売されています。最適なエンジンオイルの粘度は、自動車やバイクによって異なります。何も考えずにオイル粘度を上げたりすると、かえって性能が落ちるor不具合が起きる事もあるので注意しましょう。

粘度が違うと何が変わるの?

エンジンオイル 粘度 変化

例えば、サラサラの水の中を泳ぐのと、ドロドロの泥の中を泳ぐのとどっちが早く泳げますか?答えはやっぱり水の中ですよね。エンジンオイルも同じで粘度が低いとピストンがスムーズに動き、粘度が高いとスムーズに動けなくなります。

オイルは温度で粘度が変わる

エンジンオイル 粘度 温度

じゃあサラサラのエンジンオイルを入れればいいじゃん!って思いますよね。でも、オイルは熱が加わるとサラサラになる性質があるので、常温でサラサラの油だとエンジンの熱でシャバシャバになってしまいます。そしてシャバシャバなエンジンオイルでは、正常にエンジンを保護&潤滑できません。

サラダ油を加熱するとサラサラになるのと同じ現象です。エンジンオイルも、エンジンの熱でドロドロからサラサラに変わります。

大切なのは油膜

エンジンオイル 粘度 油膜

上にも書いてありますが、エンジンオイルの目的はエンジンの保護と潤滑です。そのためエンジン内部にうっすら膜を張るように付いている事が大切。こうすることで、金属同士が擦れることを防ぎつつ、エンジンがスムーズに動くようになります。これを専門用語で油膜と呼びます。シャバシャバなエンジンオイルだと油が流れて油膜ができず、金属同士が擦れてしまいます。逆にドロドロのオイルだとうまく隙間に入りません。

エンジンオイルの粘度の見分け方

エンジンオイル 粘度 見分け方

ここから少し専門的な話になります。エンジンオイル粘度は、SEA(米国自動車協会)が制定したSEA粘度表示と呼ばれる統一規格によって決められています。10W-30や5W-40といった表示がSEA粘度表示です。エンジンオイルのパッケージにも書いてあるあの数字です。この数字でオイルの粘度を示しており、数字が小さいと粘度が低く、数字が大きいと粘度が高くなります。エコカーやファミリーカーは粘度の低いオイルが使われ、スポーツカーや大排気量車には高い粘度のオイルが使われます。

数字が大きくなればなるほど粘度の高いオイルとなります。

エンジンオイルの粘度を見分ける方法

エンジンオイル 粘度 見方

SEA粘度表示は、左の数字でオイルの耐寒性能』、『右の数字でオイルの耐熱性能を示しています。左の数字のWとはWinterのイニシャルです。

左の数字でどのくらい寒い日に使えるエンジンオイルか、右の数字でどのくらい熱に強いエンジンオイルかを示しています。

SAE粘度規格数値

オイルの耐寒性粘度オイルの耐熱性
(油温100℃の時の粘度)
0W → -30℃粘度の低いオイル20 → 5.6 < 9.3
5W → -25℃30 →  9.3 < 12.5
10W → -20℃40 → 12.5 < 16.3
15W → -15℃50 → 16.3 < 21.9
20W → -10℃粘度の高いオイル60 → 21.9 < 26.1
どのくらい寒い日に使えるエンジンオイルかを示しています。Wの数字が小さいほど、粘度が低いオイルになるので、始動性がよくなります。左右どちらも数字が大きいほど粘度が高いオイルになります。油温が100℃の時のエンジンオイルの粘度を示しています。この数字が大きいほど、粘度が高く、発熱の多い高回転エンジンに向いています。

上のグラフはSEA粘度表記を表にしたものです。例えば、10W-30のオイルであれば、『−20℃まで使えて、耐熱性と粘度が低いエンジンオイル』という事になります。

昔と今の考え方の違い

エンジンオイル 粘度 外気温

以前は、左右どちらの数字も外気温と関連していると言われていました。現在では、右の数字は外気温に依存しないという考え方が一般的です。例えば、今までは10W-30のオイルは35℃以上の外気温では不適合とされていましたが、現在では10W-30のオイルでも外気温40℃以上で使う事ができるという表記に変わってきています。

基本はメーカー指定のオイルを!

エンジンオイル 粘度 メーカー指定

ここまでエンジンオイルの粘度について詳しく説明してきましたが、自己判断だけでオイルの粘度を変更するのは危険です。基本的にはメーカー指定の粘度のオイルを使ってください。

粘度は高いからいい!低いからダメ!という事はありません。メーカーから指定されたオイルを使う事がもっとも良い方法です。

安全にオイルの粘度を変える方法

エンジンオイル 粘度 変える

とはいえ、せっかく知識をつけたんだから、試しにオイルの粘度を調整してみたい!なんて思いますよね。だけど素人考えで交換して不具合が起きるのは御免だ!っという方にオススメの方法をご紹介します。

指定オイルの選択肢から選ぶと安全

エンジンオイル 粘度 選び方

私のFTR223の場合、『10W-30』か『10W-40』が指定オイルです。感の良い方はお気づきかと思いますが、この指定範囲内であればエンジンが壊れる事はありません。なので私は、春秋冬は10W-30を入れて、油温が上がりやすい真夏は10W-40を入れています。

この方法であれば、安全にオイル粘度の違いを楽しむ事ができます。自分のバイクや車のメーカー指定オイルを知りたい!という方はディーラーや車屋さんで調べてもらいましょう。

まとめ

  • エンジンオイルの粘度とはオイルの硬さ
  • オイルの粘度はエンジンによって違う
  • 必ずメーカー指定のオイルを使おう!
  • 10W-30とは耐寒と耐熱性能を表している
  • オイル粘度はメーカー指定のものから選んで変えると安全

さて、いかがでしたでしょうか?エンジンオイルについてしっかりと理解し、適切な粘度のオイルを入れて愛車を長く大切にしてあげてください。それでは今回はここまで!最後までお読みいただきありがとうございます。