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運営者(プロダクトデザイナー)
DARADARA
バイク歴7年。職業はプロダクトデザイナー。車用品メーカーで商品開発をしていた経験を生かして記事を書いています!
※記事の信憑性
カスタム・バイク用品系:プロダクトデザイナーとしての知見を使って書いています。
メンテ・整備系:『書籍』で学んだ内容をもとに書いています。
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鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(たんぞう)って何が違うの?本記事では車用品やバイク用品で見かける『鋳造』『鍛造』の違い、特徴やメリットデメリットを解説。車やバイク好きなら知っておきたい金属加工の雑学です。
- 鋳造と鍛造って何が違うの?特徴は?
- 鍛造ホイールはなんでいいの?
- キャストとか削出しも一緒?
鋳造と鍛造の違い
どうもdaradaraです。今回のテーマは『鍛造と鋳造の違い』についてです。バイクや車好きの方なら一度は目にした事がある言葉だと思いますが、あんまり意味を知らない方も多いのではないでしょうか?
『鋳造(ちゅうぞう)』『鍛造(たんぞう)』の意味を正しく理解して、ウンチクを増やしましょう!(笑)
溶かすのが鋳造、潰すのが鍛造
鋳造(ちゅうぞう)と鍛造(たんぞう)は、金属の加工方法を表す言葉です。違いを一言で説明すると『溶かして流し込むのが鋳造、潰して形を作るのが鍛造』です。
本来鍛造は鍛治職人のように、叩いて伸ばして作るものですが、最近はプレス機で潰すように作ることが多いです。
結局同じじゃないの?
答えはNOです。同じ形状でも、鋳造で作ったものと、鍛造で作ったものでは強度やコスト面に違いがあります。ここからは、鍛造と鋳造にどんな違いがあるかを見ていきましょう。
鋳造と鍛造の特徴や違い
鋳造(ちゅうぞう) | 鍛造(たんぞう) |
溶けた金属を型に流し込むから手間がかからない。安くて細かな形も作れる。 | 金属の塊を潰して形を作るから手間がかかる。高いけど圧縮するから強度がある。 |
安さなら鋳造、強度なら鍛造というように使い分けます。日用品レベルだと、鍛造ほどの強度は必要ないので、鍛造はあまりメジャーな加工方法ではありません。
ちなみに、私は10年くらい工業製品の設計やデザインをしていますが、未だに鍛造で工場に指示を出した事がないです。鍛造でつくるくらい強度が必要で、値段が高くても売れる商品ってあんまりないんですよね。
鋳造や鍛造で作られる主な製品
鋳造(ちゅうぞう) | 鍛造(たんぞう) |
エンジン、たい焼きの鉄板、表札など | コンロッド、日本刀、指輪など |
鋳造と鍛造で作られる主な製品がこちらです。具体例で比べると、加工法の特徴がわかりやすいですね。鋳造は強度が必要ない安価なもの、鍛造は強度が必要な高級品である事がわかると思います。
ホイールには鍛造(たんぞう)が向いてる
強度が必要なホイールには、鍛造が向いています。だからメーカーは鍛造である事を訴求しているわけです。しかもホイールは高く売れるので、鍛造のネックである製造コストが気になりません。フフフ、、
単純な剛性だけなら鉄の方が良さそうな気もしますが、見た目の良さ+理屈っぽい感じが男心をくすぐるんですよね。カー用品に整合性を求めすぎちゃいけません。
削り出しはまた別物です
削り出し |
金属を削って作った製品のこと。切削(せっさく)、NC(エヌシー)とかって言ったりします。ロードスターじゃないですよ。 |
削り出しも有名ですが、鋳造や鍛造とは加工方法が異なります。削り出しとは、金属を削って作った製品の事で、精密な部品を作るときに使われる加工法です。
身近なところで言うと、アップルの昔のiPhoneやMacBookはアルミの切削で作られています。鋳物や鍛造と違って、型が必要ないので、ワンオフ部品を作るときにも最適。
より知識を深めたい人へ(バイク好き限定)
バイクが好きな人で、もっと部品やカスタムについて知識を深めたいって人は『カスタム虎の穴』っていう本がオススメです。
この記事で書いた鍛造や鋳造に関する情報も、キャリパーの説明の部分に記載されています(3巻の102ページ)。
ただし、内容が超マニアックなので、本当にバイクが好きな人、愛車の理解を深めたい人じゃないと楽しめない内容かも。。
>バイク本なら『カスタム虎の穴』がオススメ!全7巻の感想とレビュー
まとめ
- 鋳造は溶かすから自由な形が作れる(値段安い)
- 鍛造は潰すから強度がある(値段高い)
- 強度があるからホイールには鍛造が向いてる
- キャストホイールは鋳造
この記事をまとめると上のようになりました。『注入するから鋳造、タンタン叩くから鍛造』って覚えると覚えやすいと思います。車用品やバイク用品を探すときに、この言葉が出てきたら思い出してみてください。
金属加工には、鋳造や鍛造以外にも、押し出し、プレス、曲げ、絞りとか色々あります。話がそれそうなので、今回はこのくらいにしておきますが、今後機会があればまた紹介します。
ということで今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございます。