バイクのキャリアをワンオフで製作!本記事では、バイク用のワンオフ部品を設計して、工場に製作依頼するまでの流れを紹介。費用や納期はどのくらい?ワンオフ部品ってどういう流れで作られてるの?社会科見学気分で読んでみて下さい。
- ワンオフ部品ってどうやって作られてるの?
- ワンオフってなんであんなに高いの?
- 費用っていくらくらい?
キャリアをワンオフで製作!
どうもdaradaraです。今回はバイクのワンオフ部品の設計〜納品までの流れを紹介します。私は仕事として工業製品の設計やデザインをしているので、事例や実績の紹介という目的で書いている記事になります。ワンオフ部品の製造依頼などは下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。1~2営業日以内にご連絡致します。
①依頼内容の確認
今回はインド仕様の『イントルーダー150』につけるリアキャリアを作りました。知り合いのバイク屋さんを介して頂いたお仕事です。まずは実際にバイクを確認しながら打ち合わせをして、各種条件や固定方法、予算などを考えながら話を詰めていきます。今回の要望は下の3つです。
- ボックスを固定するためのキャリア
- 固定はシート下のネジ穴を使う
- 5kgくらいの重さのものを載せたい
②3Dデータを作成(設計)
①の情報を基に3DCADを使ってデータを作成します。パイプの太さや板金の厚みは市販品を参考にしました。また出来るだけ単純な形状同士の組み合わせになるようにして、生産コストを抑えています。このように製造方法、コスト、条件考えながら形を作って設計していきます。
③モックアップを作成
②で作ったデータを基にモックアップを作成して検証します。モックアップはスチレンボードを使って作りました。実際に取り付けてみると色々と問題点が見えてきます。気になった場所を修正→モックアップ作成→取り付けて確認という作業を繰り返してデータを作り込んでいきます。
④仕様書の作成
データが出来たら見積もり用の仕様書を作成します。仕様書には、製品の図面、塗装や仕上げ方法、材質などの情報を載せます。仕上げは下地+焼付け塗装で指示。契約書に近い役割を担う重要な書類になるので、間違いが無いようにしっかり作ります。
⑤工場探しと注文
④の仕様書をもとに協力工場を探します。結構これが大変な作業。ワンオフは工場にとってメリットが低い仕事なので、なかなか協力してくれる工場が見つかりません。10社連絡してようやく見つかった工場に製作を依頼しました。上の画像はその工場で作ってもらった塗装前の部品です。サイドスタンドも写ってますが、これは別件なので別の記事でまた紹介します(笑)。
⑥出来上がったものを確認
こちらが出来上がったキャリアです。諸事情で金額をお教えすることはできませんが、非常に綺麗な出来栄えに大満足です。
パイプの端にエンドキャップを取り付けたら完成です。こういう部品を取り付けるとプロっぽい仕上げになって雰囲気が良くなります。
⑦バイクに取り付ける
完成品を持ってバイク屋さんに納品しました。上の画像は取り付けた状態です。まだ若干修正が必要ですが、取り敢えず普通に使えるレベルのものが出来ました。一発勝負だったので、ちゃんと装着できるか不安でしたが、問題なく取付られて一安心です。
あとはボックスを取り付けて完成。
かかった費用は?
お客様の支払い金額は総額10万円程度です。
え!高い!って思う方も多いと思います。私もそう思いますし。。でも上で紹介した通り、部品の開発や設計にはとても手間がかかるので、どうしてもこのくらいの金額になってしまいます。時給換算するとコンビニバイトくらいの利益しかでていなかったり。。ワンオフって割高に感じますけど、決してぼったくりではありません。
ワンオフのご相談について
前述の通り、思った以上に割高に感じると思いますが、それでもワンオフで部品を作りたい!っていう方は是非ご相談ください。サイドスタンド、キャリア、カスタム部品、3Dプリンターを使って樹脂部品なども作れます。
感想
さて、いかがでしたでしょうか?今回はワンオフ部品ができるまでの過程を紹介しました。初めてのワンオフのお仕事で不安はありましたが、とても親切で理解のあるお客様だったので伸び伸びと仕事をする事が出来ました。
結構楽しかったので、個人的に愛車の部品を作ってみようかなって思ってます。という事で今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございます。